SNSの普及によるマーケティングの変化
総務省が公表している「平成29年通信利用動向調査報告書(世帯編)」によると、世帯におけるスマートフォンの保有率は75.1%であり、平成22年に行われた同調査の9.7%から急激に増加しています。そしてこれは、世帯におけるパソコンの保有率である72.5%を上回っています。
また、世帯主の年齢別では20〜40代でスマートフォンの保有率が90%以上を記録しています。こうしたスマートフォンの普及が、SNSの利用者増加の根底にあると言えるでしょう。
男性、女性で好みが大きく異なるものの、総務省が発表している調査によると(それぞれ多い順に掲載)、
10代…Youtube、LINE、Twitter、Instagram、Facebook
20代…LINE、Youtube、Twitter、Facebook、Instagram
30代…LINE、Youtube、Facebook、Instagram、Twitter
40代…Youtube、LINE、Facebook、Twitter、Instagram
50代…Youtube、LINE、Facebook、Twitter、Instagram
60代…Youtube、LINE、Facebook、Twitter、Instagram
となっています。
つまり、SNSは知名度アップや、告知などを行う際に、非常に役立つツールとなりました。現在では多くの企業がHPだけでなく、SNSを活用しています。
すべてのSNSを利用する必要はありません。ここではフェイスブック・ツイッター・インスタグラムについてご説明します。
集客のプロセス
集客のプロセスはWebの使用有無に関わらず、変わることはありません。潜在客の中から、見込み客を発掘し、見込み客へなんらかのアプローチを行い顧客へ。そして顧客になった方へさらなるサービスなどを与え、自店のファンへと育てていく。紙媒体の広告にしろ、Web媒体の広告にしろ、このプロセスに変わりはありません。
これらの「どのプロセスにSNSやWebを使うのか」ということを、念頭に置く必要があるでしょう。
結論から述べると
Facebookは、見込み客から顧客にステップアップ、または顧客からファンにステップアップさせるために有効なツール
Twitterは、潜在客から見込み客を発掘するツール
Instagramは、見込み客・顧客から自店へのファンへステップアップさせるために有効なツール
とそれぞれ、使い分けることが有効です。
自分にあったSNSを選択することが大切
SNSマーケティングに取り組む際にとくに重要になるのが、自分にあうSNSを選ぶことです。そして、それぞれのSNSの特徴をよく理解すること。SNS投稿を楽しんでいるか、いないかは、以外にユーザーにわかってしまうものです。いやいや投稿するのではなく、楽しみながら投稿する。そのためには、自分にあったSNSを選ぶことが重要です。
ここではSNSの使い方が上手いと評判の、「伊藤久右衛門」のSNS投稿を例に、ご紹介します。
Facebook(フェイスブック)活用のポイント
写真や動画を投稿できるほか、文字数制限なく文章を投稿することができるFacebookはオールマイティなSNS。SEO対策としても優秀なSNS。
・エッジランクにより投稿が時系列で表示されない
・友達の投稿に加え、友達が「いいね!・コメント・シェア」した情報がよく流れてくる
・実際の友達だけでなく、仕事上の関係の人とも繋がる
投稿テクニック
・タイトルをつけ、【】や『』で囲む
・ハッシュタグを1~2つ付ける
・300文字程度の長めの文章
・画像は5枚以上
まじめな性格。きちんとした文章が得意である人は、フェイスブックがおすすめ。投稿頻度は1日に1~3回程度行う。企業イメージを前面に押し出すよりも、新商品のおすすめポイント、キャンペーンのお知らせはもちろん、コンセプトやバックヤードの様子、顧客の満足感が伝わる投稿が一般的です。
Twitter(ツイッター)活用のポイント
タイムリーな情報やキャンペーン情報など、すぐに知ってもらいたい情報をすばやく投稿。企業の認知度の向上や外部SEO(ブログやHP)の強化。
・投稿がほぼ時系列に並ぶ
・投稿はフォロワー全員に届く(アルゴリズムで弾かれることはない)
・リツイートがどんどんされて不特定多数に情報が届く可能性がある
・画像は4枚まで
投稿テクニック
・文字数は280文字以内
・まじめな文章よりもくだけた表現に
・ハッシュタグはあまり使用しない
・画像はあってもなくても可
ユーモアセンスがある方におすすめ。画像よりもユーモアセンスのある文章が重要。フォロワーとのコミュニケーションが得意な方におすすめ。投稿は毎日すること。SALEや新商品のお知らせ、ふとしたつぶやきなど、テーマを固定しない投稿で、より身近に感じてもらえるような投稿が一般的です。またフォロワーや顧客が自社について投稿したら、必ずリツィートしましょう。
Instagram(インスタグラム)活用のポイント
画像・動画の投稿がメイン。FacebookやTwitterとは異なり、投稿する文章にホームページへのリンクを設定することができないため、外部SEO対策としての活用には不向き。ブランドイメージを表現した画像や動画、あるいは商品の活用シーンが伝わるような画像・動画の投稿が効果的。SALEやキャンペーン告知にはあまり向いていない。
・おしゃれな写真投稿が多い
・ハッシュタグが多い
・仲の良い人とだけ繋がるコミュニティ
・「いいね」で拡散しないので、ユーザーが積極的にハッシュタグを辿ってコミュニケーションを起こす
・若者の間では検索エンジンよりも、ハッシュタグやユーザー名検索を活用して情報収集する人も多い
投稿テクニック
・文章よりもとにかく、動画・画像の良さ
・ハッシュタグを必ずつける。(最大30個まで)
・投稿テーマを統一させる(1つ1つの投稿よりも全体イメージを重視)
カメラに興味のある方におすすめ。画像の善し悪しが大きく影響。ハッシュタグはほかのSNSと異なり、多めにつけること。重要なのはイメージ。正確さよりも、イメージ重視の投稿が一般的です。
ハッシュタグの重要性
「ハッシュタグ検索と購買行動の関係性」(2016年9月/株式会社サイバー・バス調査)によると、女性のInstagramユーザーの過半数以上がハッシュタグ検索を活用し、更にその41.5%が検索から商品購入の経験があると回答しています。
そして、この調査結果が興味深いのは社名・ブランド名・サービス名以外のハッシュタグ検索においても、情報収集目的よりも商品購入目的のほうが若干、上回っている点です。
上記のような調査結果を考慮し、最大30個つけられるハッシュタグもただ闇雲につけるのではなく、ハッシュタグの属性ごとに調整しながら振り分けることが大切です。
人気(トレンド)のハッシュタグ、カテゴリ的なハッシュタグ、コミュニケーション的なハッシュタグの3つに分け、それぞれを組み合わせることが重要です。
Webによるプロモーション活動が上手くいかない理由
PDCAサイクルという言葉をご存じですか?Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを繰り返し行うことで、継続的な業務の改善を促す技法です。どの仕事にもあてはめる事ができるので、Webプロモーションを行う前に、PDCAサイクルが上手く回る仕組みを構築しましょう。ここでは上手くいかない3つの理由をご紹介します。
1.片手間作業になっている
スターティングアビジネスという、起業家サロンを運営していてもっとも多く感じることがあります。ブログにしろ、SNSにしろ「空いている時間」に行う仕事と思われていることです。今日は忙しかったので、ブログを更新していないだとか、SNSをチェックしていないなどの声を多く耳にします。
これでは、上手く行きません。片手間で行っている投稿は、読み手にも伝わります。逆に言えば、熱量のある投稿も読み手に伝わるのです。空いている時間に行うのではなく、Webプロモーションのために、時間を作り、日々のオペレーションに取り込むことが重要です。
2.動機があいまい
なぜ、SNSを使うのか。その理由が漠然としている方も多くいらっしゃいます。周囲がやっているから、流行しているらしい、ライバル店がやっているからといった動機の方がほとんど。なぜインスタを選んだのか、フォロワーに何を伝えたいのかなど、Webプロモーションの動機を確認していないため、なんとなく周囲にあわせた似たような投稿になってしまいます。
3.目標が決まっていない(KPIの設定)
目標も、計画性もなく、ダラダラ投稿していては、意味がありません。Webプロモーションも仕事である以上、理想ではなく「目標」を持つことが重要です。目標を達成するための「計画」も同様です。Webプロモーションも仕事である以上、目標を達成するため、計画を立てて実行する必要があります。少なくとも、この3つをの柱をWebプロモーション活動を行う前に確認しておく必要があります。
毎日のオペレーションの中にWebプロモーションのための時間を設けていますか?
従業員たちにもSNS投稿のテーマや目的を周知していますか?
皆さんのお店の目立つところに「インスタ始めました!」など、告知はしていますか?
来店されたお客様が、フォローしたくなるような仕掛けがありますか?
結果を必ず確認すること!
フェイスブック・インスタグラムでは、インサイトで、ツイッターではアナリティクスで結果を確認できます。確認すべき点はどの投稿の反応が、なぜよかったのか、という点です。
リーチ:投稿を見た人数
エンゲージメント:投稿に反応した人数
ツイートインプレッション:投稿がユーザーのタイムラインに表示された回数
エンゲージメント率:ユーザーが投稿に対し、積極的な反応(いいね・シェアなど)を示した割合を表す値
ツイッターの場合:エンゲージメントの総数÷インプレッションの合計数
フェイスブックの場合:エンゲージメントの総数÷投稿のリーチ×100
インスタグラムの場合:エンゲージメントの総数÷(インプレッション or リーチ or フォロワー数)×100
一般的に、エンゲージメント率が高い投稿が望ましいとされています。投稿内容がフォロワーにとって、有効な情報だった結果といえるからです。そのため、定期的にエンゲージメント率が高い投稿のチェックを行いましょう。
・投稿の時間帯(どの時間帯に多く反応しているか)
・投稿した文字数と画像(目立つ色、人物が写っているなど)
・投稿につけたハッシュタグ
最近ではOODA【Observe(観察)→Orient(状況判断、方向づけ)→Decide(意思決定)→Act(行動)】という技法もあります。現場でのお客様からの反応を観察し、お客様が求めている情報に気づき、投稿内容の変更を決定し、投稿するといった技法です。データ確認も重要ですが、実際にフェイストゥフェイスができる現場向きの考え方です。スピーディーにニーズに答えることができるメリットを活かしましょう。
インスタ投稿お役立ちツール8選!
1.VSCO: 写真加工・動画編集アプリ
写真を簡単に加工することができます。
2.Phonto 写真文字入れ
写真に文字や図形を簡単に入れることができます。
3.UNUM — Design & Plan Stories
投稿の配置を確認することができます。
4.Unfold — ストーリーズを作成
簡単におしゃれなストーリーズ投稿を作成することができます。
5.タグジェネ - Instagramハッシュタグ検索SNS投稿サポートツール
インスタのタグ付けに便利なツール。人気度や関連ハッシュタグも検索可能。
6.Foodie - 生活のためのカメラ
誰でもおしゃれな画像が撮れるアプリ。特に食品に特化したアプリです。
7.無音カメラ [最高画質]
シャッター音が消えるアプリ。しかしながら、特筆すべきは、おしゃれな写真撮影に必要な構図が内臓されている点。
8.PhotoAround リポスト/バックアップ
インスタグラムでの他の人の投稿を、ツイッターやフェイスブックでリツイートやシェアをするのと同様に、タイムライン上に再投稿するアプリ
SNSは単なる集客ツールではない!
SNSはコミュニケーションツールです。顧客との距離を縮めるツールといった使い方や、アルバイトや従業員を募集するツールでもあります。共通の趣味や話題などでつながりを増やすことも可能です。SNSで自分のファンを多くつかむこともできるのです。集客しようという方向にばかり進むと、SNSがもつ本来の可能性を無駄にしてしまいます。
SALE告知や商品だけの画像ではなく、従業員がいきいきと働く姿や、お客様が満足している様子など、ユーザーが見たい、知りたい情報を発信することが重要です。
もっとも重要なことは、SNSを通じてフォロワー(顧客)とのコミュニケーションを楽しんでいるか、です。フォロワーの数も重要ですが、フォロワーに愛されるアカウントに。ぜひ、SNSの特徴を理解して、上手に付き合っていきましょう。
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